福島県立医科大学医学部眼科学講座 飯田 知弘先生
- 使用製品
- スリットランプ900®BQ LED
- 先生略歴
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1985年 新潟大学医学部卒業 1992年 群馬大学医学部眼科助手 1998年 群馬大学医学部眼科講師 2000年 Manhattan Eye, Ear & Throat Hospital留学 2001年 群馬大学医学部眼科助教授 2003年 福島県立医科大学医学部眼科教授 2012年 東京女子医科大学医学部眼科主任教授
(現 東京女子医科大学)
私は眼科医になって以来、四半世紀以上ゴールドマンスリットランプを愛用してきました。特に900®BQでステレオバリエータ装置が搭載されてからは、前置レンズを用いた網膜硝子体観察になくてはならないスリットランプです。ステレオバリエータを入れると左右の視路角が狭くなり、眼底像が平坦化しますが、広い範囲を立体視できる利点がはるかに上回ります。
これが、私が900®BQを好んで使用している最大の理由です。特に硝子体の観察や、小瞳孔での周辺部眼底の観察がとてもしやすくなります。
今回、光源がLEDになり、またひとつ900®BQの魅力が増しました。従来のタングステンに比べて眼底像が明るく、スリットの切れもシャープなことに驚きました。視感度の高い波長にピークを持つ光源であるため、タングステンよりも照度が低いにもかかわらず観察像が明るく感じます。眼底の色合いは従来とほぼ同じで、違和感はありません。
同じ眼底像を得るのに、患者さんには少ない光暴露で済むことにもなり、これは大きなメリットです。網膜硝子体観察に900®BQは最適であると思います。
ゴールドマンスリットランプの特徴の一つに、故障が少なく丈夫なことがあげられます。
東日本大震災では、検査機器等で使用不能になったものがありましたが、900®BQはテーブルから床に落下しても全く破損がなく、そのまま使用できました。ゴールドマンスリットランプが、多くの眼科医に長年愛用されている理由を改めて実感しました。
※この原稿は福島医科大学にご在職中に執筆いただきました。